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土佐の高知の完熟マンゴー
~林檎マンゴー2004~
(一番最初の2004年初夏の内容です。その後も追跡取材しておりますのでぜひご覧ください!)
熱帯果樹の「王様」。マンゴー。高知でも作られるようになりました。
今回突撃取材したのは文旦の郷、高知県土佐市のマンゴー栽培地です。トロピカルフルーツの代名詞マンゴーはとっても甘くておいしい!反面、虫や鳥にも狙われやすく樹木の病気も発生しやすいフルーツです。
そんなフルーツを、農薬や化学肥料をほとんど使わないで育てている方を取材してきました。
さ、どうぞと招き入れてくれたのは、50M×20Mくらいのビニールハウス。 思っていた以上に広くて本格的。 一面のマンゴーですけど、これはどれくらいの人数で手入れをするんでしょう?。
「僕だけ。」(キッパリ)。
えっ?一人だけ・・・ですか。
「そう。夏の草引きにアルバイトを頼むことはあるかな。」
げげ。世の中にはすごい男がいたもんだ。ところでハウス栽培をはじめてどのくらいになるんですか?
「3年目になるねえ。苗木を植え付けてから。」
葉っぱや果実の手入れをしながら、しかし丁寧に答えてくれます。寸暇を惜しむとはこのこと。ところで、土佐市でマンゴーの栽培をはじめたキッカケは何ですか?。
「うん。はじめて食べたマンゴーがすごく美味しかったんだよね。」
そんなに美味しかったんですか。
「死ぬほど。」
確かに。よく缶詰になっているフィリピンのマンゴーと違って他にない独特の味ですからね、酸味のないアップルマンゴーは。それでいきなり作っちゃおう!って?
「ニンジンの良いものを作っている生産者さんを見学にいったとき、偶然マンゴーを食べる機会があってね。それが美味しかったんですよ。死ぬほど。次に行ったときに『いやあ俺もこんなの作ってみたい』って軽く言っただけだったんです。で、高知へ帰ってきたら栽培してる人から電話があって、『もう苗買っちゃったぞ!』って(笑)。ええっ、まだハウスもできてないのに(笑)。」
ニンジンは園芸作物ですけど、マンゴーのような果樹作物を作った経験は?
「ない」(キッパリ)
・・・ない?
「なかったね」
果樹作物って難しいと聞いていますけど、ずいぶん勉強されたんではないですか?
「いやいや、全然。なんとなく、こうなんだろうなあ、って。」
手探りだけで、ここまで出来ちゃうもんなんですか?!
「いや、まだまだですよ。来年は一からやり直そうと思ってます。なにせ、これだけ実がなったのは今年がはじめてでしょう。実がなったらどうすべきか、というところまで考えてないわけですよ。」
それにしても、下草ボーボーですけど。モンシロチョウも飛び回ってるし。
「うん。農薬使ってないからね(※)。」
使わないポリシーなんですか?
「全然(笑)。単純に時間がないから。でも結構できるもんですよね。」
化学肥料は?
「使ってない。そうそう。僕、JASの有機認定を指導する資格持ってるんですよ。」
ええっ!本当ですか!?すごいですねっ!
「すごくはないですよ(笑)。すごくないけど、今のところ持ってる人は少ないですよね。」
でも、認定もらう以前に有機栽培するのっていろんな意味で大変じゃないですか?自分の聞いた話だと、スーパーなんかでも有機とか自然栽培がいいというお客様の声はありつつも、実際には虫が入っていたらメチャメチャ怒られたりするみたいですよ(苦笑)。
「虫が入っている、イコール、無農薬の証明なのにね(笑)。やっぱり最後はお客さんがどれくらい自然を理解しているかじゃないですか。」
話しながら葉の上の白い粉を指差します。
「これカイガラムシ。あと、この黒いのは病気。放っておくと木が全滅するからね。」
無農薬っていうことは、こういうのをひとつひとつ取り除いていくんですよね。
「僕はいいんです。最終的に出荷できないものは自分で食べる覚悟だから。僕も量販店への出荷実績はあります。でも、それはそれ。このマンゴーだけで食べていくとなるとそうはいかないでしょ。大変ですよね。」
消毒=無農薬じゃない=身体に悪い、っていうのも幻想なんでしょうかね。友達に化学の専門家がいるんですけど、法律に違反している強力な農薬じゃない限り、残留農薬を気にする前に風邪薬とか頭痛薬の飲みすぎを気にした方がいいって言ってました。
「消毒といっても実に直接かけるわけじゃないしね。ハウスだと年2回くらいで十分だし、屋根を開放して一回雨が降ればすっかり洗い流されてしまうし。」
話しながらマンゴーをむいて渡してくれました。お手数かけてスミマセン(汗)。
「完熟だと手で皮が簡単にむけちゃうんですよ。聞いたところによると某有名タレントが深夜番組で「沖縄のマンゴーは手でむけるんや!」って言うてたらしいんですけど、完熟しているとちゃんと手でむけるんです(笑)。」
それは知りませんでした。なにせ食べる機会がないから(苦笑)。いただきます~。
「・・・・・・・・。」
・・・・・・・こっ、これっ、すっごく美味しいですよ。
「お日様をなるべく当ててあげることが大切みたいです。高知は日本でも1,2を争う日照時間の長いところだから立地条件はいいわけですよ。」
見た目はともかく、味はバッチリ!ですね。
「いや、まだまだですよ。僕がはじめて食べた”あの味”には、まだまだ。」(笑)
最後はやっぱりそこですか(笑)。今日はお忙しいなか、どうもありがとうございました。
☆。:*: ・'゜★。.:*:☆。.*: ・’゜★。.:*:
とても余裕をもって育てているように見えますが、実際は結構手を入れていることがわかります。実はこの取材の後に他所でマンゴーを作っている生産農家の人が「見学」にやってくることになっていたのです。土佐市の生産者の方、お忙しい中、本当にありがとうございました。
(^^)v
(※)2004年の初夏当時はまったく無農薬の状態で作っていましたが、収穫して出荷したあとに高知を台風が5回襲来しました。その影響で樹木に病気が発生したため、やむをえず消毒を一度いっせいに行いました。
その後は一切農薬を使っておりませんが、無農薬という表現は誤解をまねきますので(また「特別栽培表示」の登録もしていませんので)、自然栽培ということで表現をさせていただいております。